モーツァルト『魔笛』シュツッガルト歌劇場 日本公演

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非常に面白かった。僕の想像をはるかに超えていた。堅苦しい古典的な劇を想像していたのだが、創造性に富んだすばらしい劇だった。
まずびっくりしたのが、オーケストラと劇の出演者が一体となって劇を完成させているところである。出演者がおかしなことをすれば、オーケストラも笑い出すし;出演者が大胆なことをすれば、オーケストラもざわめく。とても斬新だった。
またクラシックな曲を演奏しているにもかかわらず、出演者の服装が現代的で、作品全体が今の時代の出来事に置き換えられているような気がする。演出では、ビデオカメラ、プロジェクターなどの電子機器がかなり重要な道具として登場する。歌詞も、現代の若者のくだけた言葉がふんだんに使われている。
モーツァルトの『魔笛』は250年の時を経ても、リニューアルされなお輝き続けている。しかし、中国の京劇や日本の能や狂言はどうか。衰退する一方だ。僕は芸術の本質は楽しむことだと思う。楽しめなければそれは芸術とはいいがたい。250年前の人はきっとモーツァルトの『魔笛』が楽しかったから、それを見たのだろう。しかし、250年前の作品が現代人にとっても面白いと言う保証はどこにもない。それを単に昔の名作だからといって、全く改良せず、やせ我慢して楽しんでいる振りをするのはナンセンスなのだ。もし、今ホリエモンを主題とした狂言が作られたら、多くの人が見に行くだろう。もちろん頭の固い連中からの批判は免れない。そういう意味で、今回の演出を担当したペーター・コンヴィチュニーは勇気のいる決断をしたと思う。
そういえば、今日はバレンタインだったなぁ…