Say NO to Chinese government

中国政府は独裁政権で民衆の声に耳を傾けていない印象があるかもしれない。しかし近年この傾向は変わってきており、政府の意向が民衆の反対によって変化しているケースがよくある。
まずは先月の黄色信号に関する新しい規定だ。政府は黄色信号に際に通行した自動車に対しても罰金と減点を行うと発表した。これに関連してテレビでは特集番組を組み、新聞でも社説を出し、必要性を解いて回った。しかし、今までの交通規則と全く異なるので、各地で大混乱が起こり、大多数の人がこれに困惑した。メディアでも政府の政策策定能力に疑問を投じる記事が多く掲載された。通常ならこの新しい規定に順応するしか無いのだが、約2週間後に公安部は黄色信号の通行は暫定的に罰則対象としないと発表した。
また南方週末の事件も同じ結末を辿った。広東省の宣伝部が南方週末の新年挨拶に相当する社説を強制的に修正した。それに反対した南方週末の編集陣が無期限のストライキに入り、街にもデモ隊が繰り出した。個人的南方週末のファンだったので、Weibo上でそれを支持するツイートをしたら、半日で削除されてしまった。南方週末もこれまでかと思ったら、何と宣伝部に編集陣の独立編集体制を認めさせた上で復刊となった。以前にも同じケースが何回かあったが、その時は例外なくジャーナリストが捕まり、その後消息不明となっただけに、今回の事件の意義は大きい。
どこかが実施したサーベイによると、以前の世代に比べて80後世代の政治に対する関心は高いらしい。特に低収入層においては、金銭的な面以外に個人の尊厳的なことを重視しているようだ。現体制の中で、どこまで民衆の変化を捉えきれるのか。

Multi-touch points

最近オンラインの広告代理店的な仕事をするようになってから、専門知識を身につけるべき関連書籍を読み漁っている。マーケティングはロジカルシンキングがあまり通用しない分野かもしれないが、お陰様で何とかクライアントも獲得できてきた。
マーケティングの概念で、一日に複数回ユーザーにアプローチするよりも、一週間に数回いろんなソースからアプローチしたほうがいいとされている。最近思うのが、中国の中央宣伝部がこの手法を最も上手く使っているのではないかということだ。2つ事例がある。
まずは先月に北京で通勤に時間がかかるというトピックがあった。その際には、まず市民寄りの新聞で市民の困っている声を取り上げ、その後にCCTV等のテレビ番組で特集を組み、最後には党の機関紙である人民日報で社説を出し、政府側の人間がオフィシャルに改善プランを提出した。習主席もタクシーの運転手に挨拶に行っていたりする。その間、地下鉄のLEDパネルから、タクシーのラジオまで、目に触れるメディアはすべてこの話題で持ちきりだった。北京が出張者が来ると、その人達も自身の経験談を共有してくれて、口コミ効果も狙っている。恐らく14億人のうち、少なくとも都会に住んでいる人間であれば、このトピックの認知は100%だ。
また最近習主席が無駄な宴会の廃止を呼びかけている。一旦呼びかけが始まったら、これまたすべてのメディアで情報の絨毯爆撃が始まった。日本の紅白歌合戦に相当する番組でも、様々な漫才の中でこの呼びかけをネタに使っているし、公式なメディア以外も伝播を狙っていることが上手い。旧正月参りでうちに来た共産党の官僚もこのトピックの話をずっといていた。物凄い口コミ効果だ。
キム・ヨンナムが朝鮮労働党の中央宣伝部のトップを経験したように、独裁政権にとってもプロパガンダ機関は極めて重要だ。その機関のトップが、資本主義社会の最もイノベーティブなマーケティング手法を取り入れているかもしれない。

China's next 10 years

習主席体制がスタートして既に数週間立つ。今後中国の十年間は、このトップ7人に委ねられた。
今後10年の方針が示されたわけではないが、僕が思うに党首脳が考えう最優先課題は社会の安定成長だ。
中国は過去15年程二桁成長を続けてきたが、これが永遠に続くとは誰も思っていない。しかしながら、高度成長が終わってしまえば、他の先進諸国が直面している課題が一気に表面化してくる。中国のような大国にとって、社会の安定は至上課題であり、一旦良い理念の基に革命が起こったとしても、数十年分の発展が吹き飛んでしまう可能性がある。エジブトやリビアが良い例だ。
社会の安定成長を保つ上で、2つ大きなチャレンジがある。
1.可処分所得の増加率の低減
5年で給料が倍になる社会に対して本気で革命を起こす人はあまりいない。しかしながら、可処分所得の増加が鈍化し、しかもその絶対値が8000ドルくらいを超え始めると、人間は物質的欲求以上のものを求め始める。公表されている数には違いはあるが、当局の発表でも近年デモの数は増加する一方だ。以前確実にデモになりえなかったようなこともデモになっている。
面白いことに、デモの要求が認められるケースが多く出現している。特に地方政府が民衆の声に耳を傾けるケースが多く出ている。これは当局の一種のトライアルだと僕は捉えており、もし失敗したら中央政府が地方政府の決定を覆せば良い。政治的に一定の自由度を民衆に与えることで、経済発展の鈍化の悪影響を補おうとしている。
2.共産党政権の権威性の低下
端的にいうと汚職だ。汚職をしない官僚はいないと大半の民衆は考えており、実際海外メディアからいろんなノイズが入ってくる。薄氏の件でわかったように、地方官僚のみならず、中央官僚の腐敗の程度も想像をはるかに超える。過去の世界史を振り返ると、汚職が一定程度に達した政権は確実に崩壊するので、これは大きなリスクだ。
今回は王岐山が直接汚職の問題に切り込むことになった。また習主席の今回の深セン訪問からも分かるように、赤絨毯を外し、パトカーの台数を減らし、共産党のイメージチェンジに腐心している。メディアの報道もより自由になり、新華社通信が報道する前に、地方紙が多種多様な報道をし、共産党がより民衆に近い立場にあることを伝えようとした。
習主席は前任よりもはるかに難しい舵取りを迫られている、今後10年の中国安定成長を祈りたい。

18th National Congress of the Communist Party of China

今日第18回共産党大会が閉幕し、明日の朝に今後10年に渡り、中国の権力のトップに君臨する7名の政治局委員が決まる。
日本の内閣とは大きく異なり、この7名の顔ぶれは今後の中国を決めるインパクトがある。それだけ重要なメンバーを決めるので、第18回共産党大会も国民生活にかなりの影響を与えている。その一例を紹介しよう。
1. Gmail
Gmailを始めとするほぼすべてのGoogleのサービスが大会中使えなくなっていた。先週一時世界中のGoogleサーバーが数十分ダウンしていたが、中国においては10日間程度ダウンしていた同様だ。僕の会社のメールは、Gmailに紐付いているので、VPNを繋げないと仕事ができない。そのVPNも恐らく監視対象に入っており、極めて不安定だった。
2. 北京マラソン
先週末に北京マラソンの応募がやっと始まった。例年より2ヶ月遅い11月末の開催だ。これだけの規模のマラソンで、応募開始から2週間で開幕するマラソン大会は世界的に見ても例が無いだろう。残念ながら、私も参加も見送った。恐らく、若い軍人と大学生を動員し、何とか大会らしく運営するのだろう。政治的に敏感な時期に、天安門の前に大量の群集に走られたら厄介なのだ。
3. タクシー
先月から何回か北京に出張する機会があったのだが、タクシーに乗ると、なぜか後部座席のドアノブが外されている。運転手さんに聞いてみると、会社の命令とのこと。ネットでちょっと調べたら、反体制的なビラを配らせないようにするためだそうだ。うーん、ここまでよくなるなぁ。

Instructor at Globis Shanghai

今日はグロービス上海講師研修の最終日。
次に登壇するときは、お金を払った受講者の皆さん相手に話すことになる。
グロービス上海は今年設立されたので、私はその講師第一陣。
ちなみに、担当講座はクリティカル・シンキング。
コンサル時代にも、クライアント向けのトレーニングはやってきた。しかしグロービスは教育で商売しているだけあって、結構メソッドの奥が深い。如何に正しい問いを正しいタイミングで正しい相手に問うかで、学びの効率が全然変わってくる。講師の持っているものを伝授すると言うよりも、受講者に必死に考えさせることで、学びを最大化させることは、個人的にはパラダイムシフトだった。
どんな分野でも一番まで極めた会社は凄いものを持っている。

Chinese economy is slowing down

中国経済の減速が一段と鮮明になってきた。
中国人民銀行も異例の二回連続利下げを一ヶ月で行っている。
今年の5月の電力消費量は、昨年度比で増加率は1.7%。鉄道貨物輸送量の増加は昨年度比で1.3%。
消費者の消費意欲はまだ旺盛で、労働市場も佳境だが、今後GDPの更なる下降は避けられないだろう。
さぁ、欧州も米国もぱっとしない中、中国政府はどう出るか。

PM 2.5

中国の米国大使館がPM2.5という大気汚染指数を公表してから、市民の大気汚染に関する注目度は上がる一方。
ついに中国外交部が、米国大使館が他国で空気汚染を図る行為は内政干渉というまでになった。
とは言えども、流石に米国大使館のホームページにセンサーシップを課すことは難しいようで、
北京:
http://beijing.usembassy-china.org.cn/070109air.html
上海:
http://shanghai.usembassy-china.org.cn/airmonitor.html
と現状を確認できる。
今日は北京に来て、街中が燃えているようなにおいがして、ホームページを確認すると Very Unhealthyとなっている。これは上海のPM2.5の値の約7倍。といっても上海の値も通常値の三倍程度。さて10月の北京マラソンは参加するべきかどうか。

Looking for hope in the darkness

中国経済崩壊論が噂されて早15年。
その間狼は結局来なかったわけだが、
最近その足音が聞こえ始めている。
GDP成長8.1 %
PPI 0.7%減
輸入 0.3%増
不動産投資の伸び 9%
次期首相の李氏がGDPのプロキシとして見ている、発電量、鉄道輸送量と融資総額も急速に悪化している
発電量 3.7%増
工業用電力消費量 1.5%増
人民元融資 30%減
不動産関連の友人に色々聞いてみると、現場の深刻感が伝わってくる
建機需要 6割減
プロジェクト開業率 約6割
これから中国経済が変調の入り口に入っていることは明らかだ。
もちろん中国政府の反応も早く、すでに預金準備率を0.5%下げている。
しかも中国はアセットリッチ(国債、国有企業、資源権益、土地)なので、
いざとなれば、がんがん打って、それでカンフル剤を打つことも可能。
注意深く見守っていこう。

Market research in China

金曜日の夜、近所のカルフールに買い物に行く。
いつもと大体同じ物を買って、レジを出る。
ある元気のよいおばさんに呼び止められた
”エコバッグいらないかい?簡単なアンケートをやってよ”
いつもだったら無視して振り切るのだが、金曜日の高揚感からか会話に乗ってしまう。
聞くところに依ると、カルフールがやっているもので、消費者の購買行動を探るものらしい。
すこし迷っていたら、カートがおばさんに奪われ、半ば強制的にアンケート記入台に通されていた。
アンケート用紙を見ると、5,6枚はあって、少なくとも15分間は掛かりそうな感じ。
”これー、3分以上かかるんだったら、もう帰りますけど”
”すごく簡単だから、ちょっと待ってね。本当にすごく簡単だから”
おばさんは必死に僕を説得する。
そこで僕の年齢、住所を聞いてきた。どうやらおばさんが代わりに書き込んでくれるらしい。
いや、それ以降のすべての記入項目も、おばさんが勝手に記入しているではないか。
しかもバレないように、非常に満足と満足をほどよいバランスで織り交ぜている。
途中でマネジャーらしき人が来たが、全く注意をしていない様子。
そして約3分後、おばさんはアンケートの記入を終え、僕にエコバッグを手渡した。
”ほら、すごく簡単だったでしょ”
うん、確かにこれより簡単なアンケートはないかもしれない。
思わず集計されたこのアンケート結果を分析するコンサルタントの姿を想像してしまった。
頑張れ、コンサルタント!

Goodbye Mr. Bo

朝テレビを着けたら、重大な規律違反により、薄熙来の全役職が停止されたと報道されていた。
妻と側近もすでに殺人容疑で逮捕されているとのこと。
家を出て地下鉄に乗ると、駅のホームから車両内のディスプレイもこの報道ばかり。
中央宣伝部が総力を結集して、プロパガンダキャンペーンをかけて模様だ。
以前このようなキャンペーンをみたのは、法輪功のときかもしれない。
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確かに温家宝の国会演説のとき”文化大革命の再来を防ごう”というコピーからすでに不穏な空気を感じていた。しかし薄熙来も大連市の建設、重慶の外資誘致での功績も大きく、私も中央政治局には入れないとしても、党の重鎮として君臨し続けると思っていた。クラウドやノートパソコン関連で重慶に誘致された外資企業の今後の行方が気になるところだ。