スタートアップ、特にテック系のスタートアップには、トレンドというものが存在する。今年はIOTが来るとか、そういう類のものだ。VCは一般的にはそういうトレンドに沿った投資を行うのが好きだし、トレンドには起業家も群がってくる。
さて、トレンドはどう形成されるのか。僕は何かしらのテクノロジーイノベーションが起きて、その結果ユーザーの行動が変わることがトリガーだと思う。例えば、去年あたり結構流行っていたO2Oとかでいうと、
-スマホの小型化、低価格化
-4Gネットワークの普及及び低価格化
-パケ放題のスマホの普及
-小売店頭におけるタブレット端末の普及
みたいなことがトレンドの背景にあると思う。
一旦トレンドが醸成されると、そのトレンドに乗っかったプロトコルやプラットフォームが出始める。トレンドにもよるが、ここを押さえることが肝であることが多い。例えば、O2Oの場合、アップルがiBeaconを出したし、位置情報に基づいた広告配信のアドネットワークとかもそれに当たると思う。
最後に出現するのが、アプリケーション。マネタイズだけでみるとこの段階が最も儲けやすい場合が多い。O2Oだと、Uber、出前系のアプリやショップキックとかがそれに当たる。
一個のトレンドが出現すると人材がそこに群がるし、お金もどんどん集まってくる。ちょっと厄介なのは、トレンドっぽく見えるんだけど、その背後にテクノロジーイノベーションやユーザーの行動変化がないものだ。そういうトレンドは実際は一種のHypeに過ぎず、少し時間が経つと消え去ってしまう。
個人的には、トレンドを取り巻く様々な事象の発生順序を理解し、それぞれの段階でこのトレンドが本物かどうかを見極める力が非常に重要だと思う。
Month: January 2015
Bento's time
ANAの機内誌に「おべんとうの時間」というコラムがある。
僕が社会人になって出張が多くなったときからあるみたいだから、結構続いているようだ。
そこで描かれているには、本当に普通の人々。
小さい町で生まれて、そこで育ち、近くで職について、家族と一緒に暮らす。
そういう人々の生き様と弁当箱の中身を淡々と書いていくコラムだ。
僕は小さいころから引越しを繰り返し、高校から親元を離れて暮らし、
社会人になってからもいろんな仕事をノンストップでやってきて、
いま気がついたらボストンにいて、この先どうなるかもよくわからない。
そういう意味で、僕のおべんとうがこの雑誌に載ることはないだろう。
それでも、なぜかANAに乗るとこのコラムをいつもしみじみ見てしまう。
心の奥底にある一種の憧れと幻想があるのかもしれない。
Softbank Academia
日本で僕が一番尊敬している経営者は孫正義。
彼自身が直接書いている本や講演はそんなにないのだが、
後継者探しのために、数年前からソフトバンクアカデミアを始めた。
http://www.softbank.jp/academia/
その第一回で自ら”孫の二乗の法則”について解説をしている。
300年企業として事業を存続させる、そのためにグループ戦略で行くなど、必ずしも僕の考えと合致しない部分も多い。だが、マーケットの10年単位の流れを読み切り、19歳の時に決めた目標を達成し続けることは本当にすごい。
正月の暇つぶしにぜひ!