一年半ぶりのバックパッカー的な一人旅。最低限の荷物を詰め、まだ読んでいないガイドブックをカバンに放り込む。旅のスタートとしては、決して順調なものではなかった。
そもそもフライトの日程を間違えてしまい、その変更はPudong空港のみで受け付けると言われてしまい、追加料金を支払った上、半日かけて変更した。そして、たったいま自分の会社の従業員を一人クビにしたばかり。ついでに言うと、先週新しく買ったiPhoneも見事になくしている。まぁ、偏見かも知れないが、ロシアに行くには、これくらいのウォーミングアップが丁度いいのかもしれない。
空港行きの電車でガイドブックを見始める。少なくともこのガイドブックが描写するロシアはあまり魅力的ではない。警察は旅行者からお金を取ろうとするし、夜行列車では寝ている間にものが盗まれる。水道水には寄生虫が入っていて、それで歯を磨くと下痢になるらしい。唯一の慰めは、このガイドブックが09年に出版されていること。状況が改善されていると信じたい。