Bing 3D

これは、マイクロソフト・Bing Mapの責任者”Blaise Aguera y Arcas”が先日TED.comでプレゼンしたときの映像だ。

あまりの衝撃に目が釘付けになり、ビデオを見終わった瞬間すぐPCで実物をチェックした。数分でインストールが終わるのでぜひ試して貰いたい。
http://www.bing.com/maps/
ブラウザから世界の大都市をストレス無く3Dで閲覧できるのは、間違いなく一大発明だ。1,2年前から技術的にはこれを実現できたのかも知れないが、インタフェースのレベルをここまで高めてくると、量から質のイノベーションが生まれていると思う。
Bing Map.jpg

Bing Mapで俯瞰した東京駅周辺。真ん中の長方形の枠に入っているが実際の衛星写真で、その以外は3DのCG。

いままで検索エンジンと言えばGoogleで、マイクロソフトはネットの世界ではすでに過去の異物だと考えていたが、すこしは見直した。これが捜索エンジンのシェアにすぐ影響するとは考えにくいが、目先の収益にこだわらず突き進んで欲しい。

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Toyota recall, Consulting firm's functional knowledge

品質で戦う時代の終わり
日本の製造業は40年間にわたって品質神話を保ってきた。しかし「アナログ→デジタル」「化学燃料→電気」「In-house→Outsource」この三つのメガトレンドにより、今後は品質の同質化が進め、勝負の土台自体が変わってしまうのでは無いだろうか。
「アナログ→デジタル」:製造業の中でメカニカルな部分が減り、より半導体的な部分が増えていく。カセットテープの時代、ソニーの極薄ウォークマンはなかなか真似できなかったが、mp3プレーヤーの時代では、i phoneそっくりのパクリ品が中国で半分の値段で売られている。デジタル化により、高品質へのハードルが圧倒的に低くなったと思う。
「化学燃料→電気」:電気自動車を作るのは、電池の部分を除けば、従来の自動車より圧倒的に簡単だ。従来の自動車は元来エンジンやトランスミッションなど、複雑で非常に多くの部品を必要とする。それと比較して電気自動車は、ほとんどPC組み立てと同様の要領で作成可能だ。組み立てだけでは品質の差は開きにくい。
「In-house→Outsource」:上記のようなパラダイムシフトが起きているとき、すべてを自社内(系列)でまかなうことは無理があるし、コストの観点にも叶っていない。外部からの調達は不可欠なのだが、外部業者に対する100%のコントロールは不可能であり、品質はspan of control外にある
以上を総括すると、80点の品質は誰でも達成できるようになるが、100点満点になるのはほぼ不可能ということだ。製品の品質以外の土俵で戦う時代が来た場合、日本の製造業が持つ優位性は何か。
機能別知識無きコンサルファーム
一般的にコンサルファームは、産業と機能別のマトリックスになっている。だが私の知っている限りでは、産業別のグループが強く、機能別のナレッジを軽視しがちだ(オペレーションとコーポレートファイナンスを除く)。
組織、マーケティング・ブランディング、人材等の会社経営の根幹をなす機能において、ほとんどのコンサルタントのナレッジは大学生一年生の教科書レベルにあると言っても過言ではない。プロフェッショナルというよく分らない言葉により、成長は個人の責任となっており、投資対効果の悪い機能別知識はついついロープライオリティになってしまう。
もちろん基本的な戦略論を身につけた優秀な人材が問題解決に取りかかれば、アドホック的にそれなりのものはでき、その場ではインパクトは生まれる。だがそれは再現性の無いものであり、クライアントのケイパビリティビルディングにはならない。
高度化する経営状況の元、純粋に戦略だけで解決できる領域は少なくなる一方だ。戦略ファームの淘汰はさらに進み、機能別ファームが活況に入るのでは無いだろうか。