Trip to Tibet and North Korea Vol.3

僕の周りに旅好きと自称する人間は多いが、それでも北朝鮮に行ったことがある人は皆無だ。その一方で、北朝鮮のトピックは、日々お茶の間を賑わしている。そんな遠いようで近いような北朝鮮に、一人で乗り込んできた。
共和国の首都である平壌へ行くには、空路と陸路がある。僕が選んだのは、中国国境の町-丹東から、国際列車で行く方法だ。丹東から平壌の距離は220キロ、北朝鮮最速の列車に乗り8時間ほどで到着する。これが、北朝鮮スタンダードだ。
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北朝鮮での旅の始まりは、まず金日成銅像から始まる。なぜなら、すべての北朝鮮人民は平壌に来ると真っ先に金日成銅像へと向かう。外国人としての僕も、その習慣を尊重する必要があるからだ。周りの平壌市民と同じように花束を買わされ、「偉大なる金日成主席万歳!」と唱えた僕は、北朝鮮での旅行は自由がないことを思い知らされた。それを含めて、北朝鮮の習慣なのかもしれない。外国人が泊まるホテルは、町の中心部を流れる川の中島にあり、ほぼ脱出不可能。観光中もガイドから50メートルぐらい離れると必ず紳士的に連れ戻される。
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平壌という街は、広告マンにとっての悪夢である。あたりを一周見渡しても、広告の影も見当たらない。その代わりにあるのは、「21世紀の輝く太陽、金正日将軍」というキャッチコピーだ。これを思いついたコピーライターはすごいと思う。低く見積もっても国内シェア50%以上、前人未踏の領域だ。道路もちょっと変わっている。走っている車はカウントできるほど少ないのに、交差点には必ずといっていいほど警察がいる。しかもほとんどが婦警だ。
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街ゆく人の服装に注目すると面白い事実がわかる。女性は必ずスカートをはいている、どの年齢層の女性でもだ。しかも大多数の人は、ストッキングにハイヒール。男性も非常にフォーマルな格好をしている人が多い。いろいろ原因を考えたが、すべての服装が配給制になっているという仮説に至った。つまり女性には、スカートしか支給されないのである。高校の制服と同じシステムだ。
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服装だけではない、ほとんどすべての事柄が北朝鮮では計画されている。計画経済であることはもちろん、大学の専攻から、結婚相手、住宅、食糧まで、身の周りのすべてが計画済みだ。都市も完璧に計画されており、都市部から郊外の境目が非常にはっきりしている。朝の7時半にみな仕事に行き、6時に帰宅する。すべての国民は仕事を与えられるので、それ以外の時間帯では、通行人をほとんど見かけない。
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そもそも北朝鮮は、経済的には世界最貧国ではないと思う。より貧しい国にも行ったことはある。しかし、それでも強い違和感を覚えられずにいられないのは、北朝鮮の現実と計画のギャップがあまりにも大きいからだ。市民は米すら満足に食べられないのに、アジア最高のホテルが建設中で、世界最深の地下鉄がある。ハードウェアは計画できるのだが、ソフト面がまったく付属していないので、非常に歪な国となっているのだ。

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