In Rainbows

僕が最も好きなバンドは、間違いなくU2だ。
そして、好きなバンド二番手をめぐり熾烈な争いをしているバンドの一つにRadioheadがある。
そのRadioheadが「In Rainbows」という新アルバムを今月に出した。
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音楽はさておいて(やはり「OK Computer」は越えられない)、このアルバムの支払方法が面白い。
なんとこっちの言い値で買えるのだ。しかもWEBでしか買えない。
(www.inrainbows.com)
これはまさに、インドのリキシャのおっちゃんと同じ「As you wish」の世界である。
こんなやり方で、元が取れるのかと心配する方も多いだろう。
しかし、ビジネスの観点からこの販売方法を見ると意外といけるかもしれない。
条件:
1、固定費の負担が高く、限界費用が著しく低い場合。
たとえば、ホテル、航空、ソフトウェアなどなど。
一定以上販売すれば、原本割れする心配がなくなるので、あとは言い値でも大丈夫だと思う。逆にいえば、限界費用より高く買ってくれればいいわけだから、かなりの確率で儲けることができると思う。
2、価値が測りにくいもの。
商品の価格は、原価から算定するか、市場での価値から算定するしかない。
原価から算定するものだと、原価すれすれまで言い値が下げられる可能性がある。
しかし、無形のプレミアムが原価に上乗せしている場合、価格はそのユーザーにとっての価値で決まるので、言い値によるディスカウントは意外と小さいかもしれない。
この二つの条件を満たしている「In Rainbows」が収益がどうなっているかぜひ知りたいものだ。

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THE KILLING FIELDS

キリング・フィールド
洋画ドラマ -シリアス
1984年アメリカ/イギリス
監督:ローランド・ジョフィ
出演者:サム・ウォーターストン 、ハイン・S.ニョール
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【あらすじ】
70年代のカンボジアでは内戦が続いていた。ニューヨークタイムズの記者シャンバーグは、現地で取材助手のプランと知りあう。だが共産勢力「赤いクメール」が攻勢をかけ、シャンバーグは帰国、プランは捕らえられてしまった。
【感想】
実にいい映画だった。
今日は台風のおかげで、スーツごとびしょ濡れになってしまったが、そんな事を吹っ飛ばしてくれる名作だ。
最後にレノンの「イマジン」が流れてくるが、「シンドラーのリスト」のような感動を味わった。
確か田原総一郎は「グーグルで検索できないと、情報ではない」と言っていたが、それ以前にジャーナリストに報道されないとグーグルでも検索されない。自らの命をかけてまで、巨大な力に対抗し、真実を追い求めるのは並大抵のことではない。
『1984年』の「ビッグ・ブラザー」に世界が統治されていない事実に対し、僕たちは勇気あるジャーナリストに感謝しなければならないだろう。

Riding the upward wave !!!

最近僕は上昇気流に乗っている。
プライベートは順調だし、この時期でオファーももらったし、Winter Jobだって決まってきた。
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だが、上昇気流にはいつか終りが訪れる。
そこに気付かない人間は「死の谷」を彷徨うことになる。
「人の性質は、いつまでも前のほうにのみ進めない。引き潮あり、差し潮がある」
          ーフリードリヒ・ニーチェ、「パンセ」より
気を引き締めて、日々を頑張ろう。
それが引き潮を弱め、差し潮を力強いものとするのだ。

Experience note on "Joost"

Canicula のニュースの視点 Vol.3
最近米国を中心にフィーバーしているインターネット番組配信サイト「JOOST」を試してみた。
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まずはサイトからソフトをダウンロードすることから始まる。インストールするとユーザー登録に進み、その後番組が見られる。
印象的にだったのが、画面の質。番組自体は画質はもちろん、ソフトの作りも非常にクリエイティブ。それに加え使い方がシンプルで、動きも滑らかだ。
番組数は1万五千を超え、CBSやMTVなどの「ちゃんと」したテレビ番組が視聴できる。
思ったこと:
1、メディアの配信と作成を分けて考えて、ネットを活用している点は評価できると思う。ポストモダンの時代だと騒がれ、ネットにより皆が記者になれるような風潮があったが、そんなことないと思う。「オーマイニュース」を見ても、「ユーチューブ」を見ても、お遊びの領域を脱していない。しっかりとしたインセンティブとフィードバックのシステムが整わない限り、メディアのアマチュア化はこれ以上進まないのではないか。たぶん「JOOST」の創作者もそう思ったのか、「JOOST」ではプロが作った高品質の番組を中心に楽しめる。その一方で、配信において「JOOST」は「PtoP」という技術を使っていて、サーバ負荷を分散させている。これこそ、ネットの本来のバリューだと思う。
2、メディア産業と協力しなければ、ネット配信は発達しない。話題の「にこにこ動画」や「ユーチューブ」を見ても、結局ニッチなものである。人気なものは、テレビ番組のパクリで、明らかな著作権侵害だ。著作権が保たれないと、製作者のインセンティブがなくなり、いつまでたってもニッチなままだ。テレビ局を株主に構えた「JOOST」はとても強いと思う。
3、ネット配信は、メディア界に新しいビジネスモデルをもたらす可能性がある。今までのテレビは、否応なしに流れてくる映像を見ていくというばかばかしいものだった。だが、ネット配信により、人々はどこでも時間を気にせずにテレビをみることができる。いままでの視聴率やゴールド時間帯などの概念が完全に覆される。こうしたカスタマイズされたサービスというのは、顧客のセグメンテーションにつながり、広告業界にも大きなインパクトを与えるだろう。いずれにせよ、ネット配信が普及すれば、既存のテレビ業界の常識は通用しなくなる。

Never Give Up!!!

絶対にあきらめないことの大切さを実感した。
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元英国首相のウィンストン・チャーチルは言った
「Never, never, never give up」
あきらめたらすべてはそこで終わる。
諦めなければ、たった1%かもしれないが可能性はある。
0と1なら、ぼくは1を取る。
失うものは何もないのだから。
果たしてその努力は叶うのだろうか。
そんなことは問うな、己の道を突き進め。
PS:機会費用が著しく高い場合は、潔くあきらめたほうがいいと思いますw

10000 HIT!!

気がついたら、ブログの訪問者数が10000人を超えていました。
昨日の朝ぐらいのことだと思います。
誰だか分りませんが、おめでとう!(プレゼントはありませんが)
そして、こんなブログを見てくださっている皆様。
本当にありがとうございます。
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上のリンクは、Google Analyticsからの分析レポート。
興味深いこと:
1、意外とアメリカからのアクセスが多い。タイトルが英語だからなのかな。
2、外銀、コンサル関連のキーワード検索が4割程度。お役にたてれば光栄です。

Subprime lending and real side of economy

Canicula のニュースの視点 vol.2
全体に引き続き、サブプライム問題を取り扱ってみたいと思う。
先月から今月にかけて大手投資銀行の決算が続々と出ている。
堅実だと思われていたモルガンスタンレーも損失を出していたし、UBSはなんと3960億円の損失をサブプライムで出した。ちなみに、トヨタの連結経常利益は一兆円である。
そして、米国の各種指標も徐々に良くない方向へ転じている。
雇用統計では4年ぶりのマイナスを記録している。
また、大型の買収案件の行き詰まりも顕在化している。
その中で、ただ株式市場だけが堅調に上昇を繰り返している。
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一般的に、株は将来の経済状況を反映しているといわれている。
ということは市場のコンセンサスとして、「実体経済の未来は明るい」、というメッセージがあるのだと思う。
確かに、いまの世界経済は30年ぶりの景気だといわれているし、日本の企業にしても業績はかなり好調だ。また、サブプライムが経済全体に占める割合は、数値上それほどのインパクトはない。
だが僕は、想像以上にサブプライムが実体経済に与える影響は大きいと思う。
ここの数十年で企業は銀行オンリーの資金調達を相当多様化してきた。日本においても、資本コストや株主利益といった考え方が徐々に浸透し、それに関連したマーケットも形成されてきた。
これが意味するところは、企業は銀行からの縛りを解いた対価として、金融市場に大きく影響されるようになったということだ。
資金調達以外にも、資産運用を積極的に行う企業も増えてきている。金融市場の流動性低下は、以前よりはるかに大きな打撃を企業に与えるものだと思う。
それ以外にも、企業の本業でもファイナンスが大きくかかわるようになってきた。たとえば、アメリカの消費者は住宅の支払済みローンを担保に、クレジット消費を繰り返す。そこで住宅の価格が下がると、消費(とくに大きな買い物)が落ち込み、企業に決定的な影響を与える。
つまるところ、市場のコンセンサスはまだ昔のパラダイムで形成されており、本来の状況をうまく織り込んでいないのではないかと思う。
もうひとつ注目に値することは、新興市場がほとんどサブプライムの影響を受けていないのだ。むしろ、先進国から逃げてきた資金が流れ込み潤っている。それを実証するのが、先月の中国と台湾の利上げだ。アメリカの利下げとは非常に対照的である。
お金に国籍はない。ここまで一体化した世界の金融マーケットを、先進国の中央銀行の連携だけで乗り切れるのかどうか疑問である。
法律的な問題(独占禁止)なども含めて、世界的な経済調整機構(欧州中央銀行の世界バージョン)が誕生することを期待する。

Tokyo Tower: Mom and I and sometimes Dad

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
# 製作年 : 2007年
# 製作国 : 日本
# 原作 : リリー・フランキー
# 出演 : オダギリジョー 、 樹木希林 、 内田也哉子 、 松たか子 、 小林薫
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【あらすじ】
1960年代。3歳のボクは、遊び人のオトンを捨てたオカンに連れられ、小倉から筑豊のオカンの実家に戻ってきた。オカンは女手ひとつでボクを育てた。オカンの作る美味しいご飯を食べて、ボクは成長した。15歳になって、ボクはこの町を出て行きたくなった。大分の美術高校に入学し、東京の美大をなんとか卒業するが、仕事もせずに、仕送りしてもらい、更に借金を重ねていた。そんな中、オカンが癌に侵されていることが分かった。
【感想】
映画館で一人になってこの映画を見た。
そして、映画の中盤あたりから涙が止まらなくなった。
こんなに泣いたのは何年振りだろう。
いままで映画でなくことなどなかったのに。
リリー・フランキーが良かったのか。
それとも映画の内容が良かったのか。
いずれにせよ、人間味のある人間であり続けようと思った。