工場見学 & シンドラー

小雨中、学校の授業の一環で本田の工場見学をすることになった。工場見学するのは一向に構わないのだが、往復の交通費が1000円近くになってしまったのが残念だ。しかしこのことを口出して、単位来なくなるともっと残念なので、この不満を心の中にひそめることにした。
IMG_0013.JPG
まず、工場の外見なのだが、トヨタとマツダの中間といったところだろうか。やっぱり外見は、業績に比例しているらしい。
工場に入ると、大きな会議室に招かれ、コーヒーとその他もろもろをいただいた。眠気を誘うビデオを15分間ぐらい見た後(眠っていたのでもっと長かったかもしれない)、HONDAの帽子を頭にかぶり、工場内へ。
いちばん真っ先に感じたのは、工場の中での人間の無力さだ。あの工場の中で圧倒的に力があるのは機械であり、大部分の体積を占めているのも彼らである。人間は小さい存在であり、むしろ彼らの歯車みたいに映る。しかしあれらの工作機械を開発し、製造したのもほかならぬ人間のはずだ。SFではないが、いつの日か人間が機械に征服される日を彷彿させる光景だった。
毎回工場見学感動させられるのが、各種機械の動きだ。全く無駄な動きがなく、一寸の狂いもないその動作は神業と言えよう。とくに溶接などの場面では、まるですべての機械がひとつの感情のある心によって動かされている気さえする。IE(インダストリアル・エンジニアリング)の主なる目的は、作業の効率化だが、機械はその究極的実現だと思う。人間では絶対できないさまざまな作業を難なくこなし、サモンチャートなどで分析してもほとんど無駄がない動きをしている。しかし、逆から考えると、IEは作業員の人間性を無視した分析方法ともいえると思うのだ。作業を極限まで分解し、その一つ一つを短縮しようとする試みは、人間の心と言うものを捕らえていない。確かに生産性はあがるかもしれないが、あがったところで機械を超えることはできない。だが、それで人間独自の創造性が失われる可能性は十分あるのだ。
あと、意外と若手の作業員が多かった。団塊世代の退職も関係していると思うが、それでもこれで大丈夫かというぐらい若者が多かった。正直いって、このような作業環境では、働きたくない。人間間の交流が乏しいし、騒音も相当だ。彼らの条件を少しでも改善してあげたい。
しかし、発展途上国においての現状はもっとひどいだろう。実際、工場の方が言ってたように、発展途上国にはいまだに手で押すベルトコンベヤーが存在するらしい。そこでは、機械の替わりに人間が汗を流している。なのに、生産性は日本の10%以下だ。だから賃金も日本と比べたら桁はずれに低い。そのような方にIEを適用し、できるだけ生産性を高めるのはかわいそうでならない。
これからは余談になるのだが、工場見学の後、友達と新宿で買い物をした。話題が盛り上がり、シンドラー社のエレベーターの話になった。死んだ人はかわいそうだなぁとおもって、ふと上を見上げていると、「シンドラーエレベーター」という文字が目に入った。そう、乗っていたエレベーターがシンドラー社のものだったのだ。日本に1%しかない、シンドラー社のエレベーターに乗ってしまったのだ。ちなみに、帰りは階段で帰った。
日本のメディアはいつもそうなのだが、ひとつの会社が不祥事を起こすと、その会社関連の不祥事(普段だと報道されていない)が報道されるようになる。しかし、この流れはその業界全体までにはなかなか広がらない(実際似たような不具合は全日本で2000件以上発見されているが)。三菱自動車のときもそうだったが、結局はもっとも派手な不祥事を最初に起こした企業がいちばん打撃を受けるのだ。その企業の不祥事はいちばん悪質かどうか関係なしに。
これからは、生産性の追求もいいが、品質管理についても学びたい。

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Google photo

You are commenting using your Google account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.